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持った若者たちがあらわれまして、そのときに歌い続けた連中がアーチストになっていって、そのとき裏方になった連中がプロダクションの社長になったり、プロモーターになっているという、吉田拓郎という人ももうことし50歳になりますので、それだけいわゆる日本のポピュラーの歴史も経てきたなということであります。
結局、興行とどう違うかといいますと、CDという1つのこれはアーチストの主張ですけれども、これは年間1回とか2回とか発売されます。そうするとCDのプロモーションとしてコンサートツアーがあるということなんです。ですから、営業とか興行の時代には、欲しいときにその歌手とかアーチストと折り合いがつけばいつでも持ってこれたんですけれども、今はアーチストの方々が休憩して、曲づくりをして、CDのレコーディングに入って、発売をして、それからコンサートツアーに回る、これで大体1年間がすぎていく。皆さんもいろんな情報を持っていらっしゃる、理解していると思うんですけれども、大体そういうふうに1年間がほぼ決まっているわけなんで、なかなか6月にだれだれさん来てくださいといっても、そのとき、すいません、ちょっとレコーディング中なんでとか、いろんなそういうお答えがあった経験があると思うんです。そういうふうに期間限定なものですから、非常に興行的な発想とは折り合いがつかない状況ができているというのが今の現状であります。
コンサートの種類というところでは、今のは1つのツアー形式としてCDを発売した後、例えば東京発で北回りから南へ行ってまた東京に帰ってくるとか、もしくはまた札幌から始まって沖縄で終わるとか、それはもうアーチストの戦略によってさまざまなんですけれども、そういったいわゆるCDのあくまでもプロモーション活動、つまりコンサートでももうけなくていい、コンサートでは赤字でも構わないというのがプロダクション側の考え方なんですね。ですからCDの広告効果が上がれば、それでコンサートは成功ということであります。ですので、我々プロモーターも昔の興行と違って、これだけ売ればこれだけもうかるということではないんですね、そういうこともたまにはありますが、主に売り上げの何%みたいな形で委託業務的な形で仕事をしております。そうしないとコンサートなんてすべて今ほとんど赤字であります。松任谷さんのコンサートをごらんになったことはあると思うんですけれども、舞台上にエレベーターができるなんていうコンサートはとんでもない規模の話で、これを全国に回すわけですから、11トン車で今10台以上回っていると思いますね。今回また浜田省吾さんがアリーナツアーをしますけれども、それも多分11台か12台で回る。現場へ行ったら現場へ行ったで、今度はトビ職の世界ですよね、だか

 

 

 

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